垣根 涼介 著:借金取りの王子 [読書(その他)]
垣根 涼介 著:借金取りの王子
こういったビジネスを題材とした小説は好きだったりする。
架空の人物、会社ではあるが、自分と重ね合わせやすく、また勉強にもなる。
特に自分と同じ、人材派遣、紹介も生業としている主人公。
メインは首切り、リストラ代行業ではあるが、これもまたおもしろい。
リストラ対象者それぞれの考え方、人となり、葛藤がわかり参考になる。
それでいて、リストラ対象がいろいろな業種であることも飽きさせない。
人に恨まれる職業であるにも関わらず、あっけらかんと生きる主人公。
うらやましくもあり、ある意味、その割り切りを見習いたい。
一番印象に残ったのは、貸金業者に勤めるリストラ対象者。
根がまじめで、優しいそんな彼が、懸命に貸金業者で勤めている。
なぜ、そうまでして、その会社にこだわるのか。
ここは本書を読んで確認していただきたい。
本書の面白いところのひとつとしては、視点が2つ、3つあるところ。
主人公として読者に読ませること、
リストラ対象者として、
主人公の彼女として、
この複数の視点がまた飽きさせないもう一つの要因かと思う。
今回は続編から読んでみたが、前作をすでに購入してしまった。
また折を見て読んでみようと思う。