宮部みゆき 著 ： 誰か

宮部みゆき　著　：　誰か

著者はいくつ引き出しを持っているのだろう。

今までにも著者を読む度文体が違う。
本書は自分好みの文体と雰囲気。

ストーリーだけを追えば、二百ページ程度で締めくくれる結末を
敢えて五百ページ弱まで広げている。

この手法がうまかった。
ダラダラ引き延ばしているのではなく、
ひとつひとつの出来事に息吹を与える。

そして主人公の朗らかさがその広がりを包む。

内容はというと、とあるお抱え運転手が突然事故で亡くなってしまう。
車を降りているとき、自転車にぶつかって。

犯人は子供だという目撃情報が。
しかし、被害者の意外な過去が明るみに出て・・・。
殺人事件らしく、いろいろな人間模様が生々しく描かれる。

しかし主人公の設定上、重過ぎずゆったりと読める。
きっとそれは主人公が幸せな環境にいるからだろう。

ミステリーにして主人公が幸せな設定というのはあまり聞かないし。
文庫本の表紙もいい。なんか愛着がわく。

まあ結末はせつないのだが、
主人公のそれに対する受けとめかたまたいい。
普段の幸せに一人戻っていく感じが。新しい宮部みゆきの発見です。

誰か (文春文庫 み 17-6)

• 作者: 宮部 みゆき
• 出版社/メーカー: 文藝春秋
• 発売日: 2007/12/06
• メディア: 文庫

コメント 9

こんにちは。
宮部みゆきさんは、好きでちょくちょく読みますが
この作品は、まだ読んでいないです。
新しい宮部みゆきさんの発見と言うのに惹かれるので
早速本屋さんに行って手にしてみます^^
by kaoru (2008-07-17 15:43) 

積読中。。。
読まねば。。。
by engrid (2008-07-17 16:43) 

また読みたい本が増えました！(^_^;)
by こりこ (2008-07-17 23:37) 

読みたい！
うーーー時間が足りない・・・
by poi (2008-07-19 17:31) 

kaoru 様

こんにちは。
宮部さん、お好きなんですね。
この作品はテーマのわりに重さを感じさせないところがいいです。


engrid　様

積読もだいぶ精算してきました。
っといっても、いい本ばかりなので、楽しんでます。
結局、また本を買ってしまい、積読の螺旋はとどまらず。。。


こりこ　様

ぜひ、読んでみてください。


poi 様

忙しそうですね。
電車の中などいかがでしょうか。



by 僕 (2008-07-20 13:16) 

宮部みゆきは毎回一気読みなので、個人的な考え事したくない日にはもってこい。とはいえ面白いながらも結構深いとこをえぐって来るんですが、必ずどこかにシアワセ要素がある気がします。
by まに (2008-07-21 10:53) 

まに 様

自分はどうも一気読みというのは、
できない性質で。。。
漫画なら一気読みはできるけれど、
集中力がない・・・。

ミステリーにして幸せ要素があるというのは、
なかなかいいものですね。
by 僕 (2008-07-21 14:09) 

せつない結末なのですねー。
読みたい本がありすぎて、つんどくがどんどん増えます。。。
by lotus☆ (2008-07-22 00:08) 

lotus☆ 様

僕もツンドクが増えちゃうことが多いです。
電車の中で定期的に読んではいるものの、
一日平均読書時間は30分程度なので。。。
by 僕 (2008-07-22 23:12)