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海堂 尊 著: ジーン・ワルツ [読書(ミステリー)]

海堂 尊 著: ジーン・ワルツ
本書の特筆すべきところは、
物語の中にミステリー要素を前面に出しつつ、
医療問題にメスを入れていることである。
 
不妊治療、体外受精など、
まだまだ我々の知らない分野、
にも拘らず、医療技術の発展が少しずつ生活に入り込んできてます。
 
そんな中、医療の技術に法律が追いつかなかったり、
官僚の判断ミスにより、深刻な医療現場へ負担が発生しているようです。
 
ヒロインは、その問題に立ち向かっていきます。
その手法が、必ずしも正攻法ではないのですが、
計算高く、また美しい。
 
バチスタシリーズとは違った雰囲気で、
個人的には本書は、著者の中で一番好きな作品です。
 
著者お得意の医療犯罪ミステリーではあるのですが、
別作品以上に医療問題がクローズアップされており、
楽しみながら学べる点がオススメです。
 
 
 
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藤原伊織 著: テロリストのパラソル [読書(ミステリー)]

藤原伊織 著: テロリストのパラソル

江戸川乱歩賞及び直木賞受賞作のW受賞はダテじゃない。
面白かった。

初めて本書を知ってから10年近く経ってしまった。
いずれ読もうと思いつつ、やっと読めた。
その間に著者が亡くなってしまったのは残念でならない。

アル中が主人公とあって嫌煙していたのは確か。
ただ、雑誌「ダ・ヴィンチ」などのランキングで、
読むとお酒が飲みたくなる小説ランキングでトップ10入りしている。

ことにウィスキーを飲むシーンが多い。
村上春樹に出てくる小説では、ウィスキーを嘗めるという表現が近いが、
こちらの小説は「呑む」に近い。

右とか左系の小説が好きだが、村上龍 的なテイストもあった。

主人公は学生闘争の折、事故で爆発した爆弾製造容疑にかけられてしまう。
潜伏を続けて数年、日常通う公園で爆破テロに遭遇して・・・。

見どころは多いが、浅井という元警察官のヤクザとの友情、
このシーンなどはまさにハードボイルド。

ホームレスやら宗教やら、設定も幅広い。

最終的に、偶然が重なりすぎてる・・・と一瞬興ざめしたが、
実はそれは犯人の計画のひとつだった。

人間模様を描くのが巧みで、本書との出会いは遅くなったが、
ちゃんと読了できてよかった。

これはオススメ。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%86%E3%83%AD%E3%83%AA%E3%82%B9%E3%83%88%E3%81%AE%E3%83%91%E3%83%A9%E3%82%BD%E3%83%AB



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誉田 哲也 著: ストロベリーナイト [読書(ミステリー)]

誉田 哲也 著: ストロベリーナイト

泣き、笑い、悩み、怒り、驚き、
いくつもの感情が描かれ、
そして読者にも伝わるすばらしいミステリー小説。

一部、残虐な描写があるためそこさえ我慢できる方なら
(全体の10~20ページ分くらい)
ぜひお薦め。

ヒロインの姫川玲子、女性で若くして警部補。
警察小説と聞いていたので、意外に感じたが、
読み進めると警察小説のイメージを根底から覆す。

玲子がどうして警察に入ったか、プライベートはどうか、
ここがまた面白い。

恋や結婚話など、笑えるシーンも満載。
そして結末は・・・。

著者誉田氏は初めてであったが、本当によくできた作品だった。
著者を知らなく、衝撃を受けたのは矢口氏著の「償い」以来であり、
それ以上だと感じた。

ストロベリーナイト (光文社文庫)

ストロベリーナイト (光文社文庫)

  • 作者: 誉田 哲也
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2008/09/09
  • メディア: 文庫


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矢口敦子 著: 償い [読書(ミステリー)]

矢口敦子 著: 償い

著者のことはまったく知らなかった。
にも関わらず、いろいろな書店で平積みになっており、
気にはなっていた。

POPなどを見ているうちにさらに気になって・・・。

そのPOP、赤坂文教堂もそのひとつ。
しかし僕はそことは相性が悪い。

店員さんと相性が悪いことはたまにある。
POPってシステムは、生の声を感じ非常に好きであるが、
どうしても相性って出てしまう。

批判ではなく、十人十色。
いたしたかない。

そのため勇気がなく、なかなか手が出せなかった。
そんな中ブックオフで見かけ、この値段なら失敗してもっと購入。

読んでみると、斬新で非常に面白い。

ホームレスが主人公!?新しい。
自分とあまりにかけ離れてており、感情移入も心配されたが、
それでも引き込まれていく。

その他の登場人物もまたキャラが立つ。
長編であるが読みやすいし、著者の潜在能力の高さが感じられる。

テーマは連続殺人を、ホームレスである主人公が解決に導く・・・、
というところなのだが。
一言では表現できない奥深さ。そして償いというタイトルの意。

ミステリーらしいミステリーでありながら、
新しさを感じられる一冊。

償い (幻冬舎文庫)

償い (幻冬舎文庫)

  • 作者: 矢口 敦子
  • 出版社/メーカー: 幻冬舎
  • 発売日: 2003/06
  • メディア: 文庫


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森 博嗣 著 : 夏のレプリカ [読書(ミステリー)]

森 博嗣 著 : 夏のレプリカ

あれ?思ったより読みやすい。
そう思ったのが最初の印象である。

著者作品、「すべてがFになる」 を読んだのは数年前。
面白くはあったが、なかなか難しかった。

しかし今回の本書は特に森作品としては毛並みも違う革新的作品。
しかも別作品と合わせて読める構成になっている。

具体的にいうと、二冊の別作品が時間的に絡み合っている。
つまり事件は同じ主人公の間で二つ同時に起きている。

しかし一方を読まなくともひとつの作品だけでも楽しめる。
実は購入してすぐに読んだとき、いきなり二章となっていたので、
買い間違えたのかと思った。

本書はもう一方の作品と合わせて読めるため、偶数章しかない。
しかも目次には各章のタイトルの頭に 《偶》が付く遊び心も。(例えば 偶然の~など)

そんな予備知識もなかったもので焦った焦った。
ちょっと不親切過ぎやしませんか(笑)
まあ何はともあれ楽しめた。

シリーズものではあるが、さすが。
最後の展開は本当にびっくり。
でもでもそれをやっちゃうと、ミステリーでなんでもできちゃうんじゃない?
なーんて思ったりも。

まあ森作品としては革新でもあるし、何も考えず没頭してみましょう。
普通以上に楽しめるので。

夏のレプリカ―REPLACEABLE SUMMER (講談社文庫)

夏のレプリカ―REPLACEABLE SUMMER (講談社文庫)

  • 作者: 森 博嗣
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2000/11
  • メディア: 文庫


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