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中村俊輔 著 : 察知力 [読書(新書)]

中村俊輔 著 : 察知力 

自分の考えと同じだ。

まず本書を読み、そう感じた。

自分の戦い方(働き方)は短所をまずなくすこと。
短所をなくし、幅広い視野を持つことだ。

経営管理のような仕事をしていると、長所を伸ばすだけでは、
偏った考えで固定化されてしまい危険だと僕は思っている。

リスク回避のためには、盲目的であってはならない。
もちろん、長所を伸ばすことを否定しているわけではない。

中村俊輔のいうように、短所をなくしながら長所を伸ばす。

所謂、円を大きく描くことだ。
ゲームなどをやられる方はわかると思うが、パラメータをバランスよく大きくする。

そして察知力を大切にする。
ここでいう察知力とは、戦いの前に敵だけでなく見方の情報を収集し、
戦術を自分で考える。そして監督の考え方、汲み取り方まで考察する。

技術だけでなく、知力でもサッカーをしている。

中村俊輔は、トルシエ時代、ディフェンスができないと思われていた。
そのためワールドカップの最終選考に漏れた。
このことが、バランスを取ること、
そして察知力を高めるという考えにつながったと彼は言う。

短所をなくし、監督の使い勝手の良い選手になる。

このことを彼は実践し、心がけている。

長所を伸ばす教育を、日本社会は苦手としていた。
たしかに専門職の人は、そういった長所を伸ばすことを大切にして欲しい。

しかしながら、すべての職種の人がそれでいいとは限らない。
僕のような管理部門の職種の方は、バランスを大切に、
自分自身全体の力を伸ばすことが大切だと思った。

本書はビジネス本としても使える。
経済コメンテーターである伊藤洋一氏もそう言っていた。
思わぬところで勉強になった一冊。

察知力 (幻冬舎新書 な 4-1)

察知力 (幻冬舎新書 な 4-1)

  • 作者: 中村 俊輔
  • 出版社/メーカー: 幻冬舎
  • 発売日: 2008/05
  • メディア: 新書


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元職員が郵便局を考える [読書(新書)]


佐滝 剛弘 著 : 郵便局を訪ねて1万局

六本木ヒルズのビルが、巨大なポストに変わりました。




自分が郵便局で働いていた頃よりも随分と、
プロモーションが変わってきたなぁと。

ただし給料はあいかわらず、低いようです。
認知力は抜群なのだから、こういった広告を貼るより、
社員のモチベーションのために、給料に還元するか、
お客様サービスを向上させればいいのに、と思うのは辛口でしょうか?

窓口の人員は減ってしまっているようです。
バイトに転用するならまだいい方。社員減というのが現実のようです。

お客様を待たせるのもやむなし、実質値上げもありのようです。
むしろ、社員減の実情から、利用客を減らし、
一人頭単価を上げる作戦のよう。なかなか寂しい限り。

客単価の向上 → 利用客の減 → 社員減へ対応


そんな中、こんな本を読んでみました。
みなさん、風景印って知っていますか?

郵便局を訪ねて1万局―東へ西へ「郵ちゃん」が行く (光文社新書 306)

郵便局を訪ねて1万局―東へ西へ「郵ちゃん」が行く (光文社新書 306)

  • 作者: 佐滝 剛弘
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2007/06
  • メディア: 新書

郵便物を利用すると、再利用されないように押されるのが消印。
その消印を、絵入りの押印として楽しむものが風景印です。

地域の特性を活かした風景印が多く、旅の思い出にもなるようです。
そんな風景印のファンの方が想いを書いた、そんな本です。

僕は元郵便局員、窓口で働いたことがあるため、
ファンの心理というものが実に興味深く感じられました。

また著者の郵政民営化に対する懸念が、自分の意見と似ていることに共感がもてました。

実は、僕も風景印を設置してある郵便局に数週間臨時で在籍したことがあり、
それを目当てにいらっしゃるお客様を目の当たりにしています。

こういったサービスは、実はそんなに採算が取れません。
出さない手紙(思い出用)に消印するのだから、
もうかるのでは?と思われがちですが、実はそうではないのです。

一日にひとり、ふたりのお客様のために、
職員が二人がかりで準備し、ミスのないよう確認し合います。
消印の不正(間違え)は、大変な事故です。
日付を間違えて設定してしまうと、「消印有効」といった期限付き取引などに影響が出ます。
具体的にいうと、受験書類などは、お客様の人生にかかわります。

以前、競馬結果を予想するといった(当たれば賞品がもらえるもの)懸賞があり、
職員が競馬の結果が出た日に答えを確認し、
消印をその前日にし、つじつまを合わせ、商品を根こそぎいただく・・・
といった不正があったそうです。
答えを知っているのだから、当然正解ですよね。職権乱用。ひとりタイムスリップ。

今はそんなことをしたら始末書、もしくは解雇です。

まあ話は逸れましたが、使わないという点を考慮しても、
準備のための見えない人件費がかかってしまっているのです。
使わないことで、原価(紙、印刷代)だけで、
売上げとして50円やら、80円もらえるとしても。。。

民営化のため、そんな風景印も減少の一途だそうです。
お客様サービスとは、利益重視ではありません。
そういった点も考慮に入れてほしいものですが。

たしかに、まだまだ民間社員になりきれていない地域の社員は多いと思います。
実際に、心無い職員から嫌な思いをされたかたもいるのでは?
(僕自身、お客としていった郵便局に憤慨したこともあります。)

しかし僕のいた周辺の職場は、本当に厳しく指導され、
民間並みにビジネスマナーはできておりました。
ご理解ください。

しかし、そういったマナー改善以上に深刻なデメリットがあります。
それは間違いなく、過疎化している地域で郵便局は減る ということです。
そしてさらなる過疎化をもたらします。

「あまねく公平に」という建前があった郵便局も、
儲かるお客様を重視するように、
お客様を差別するようになるでしょう。

競争で安くなると思われた郵便物も、価格の決定権が郵便局側になり、
値上げされるでしょう。

競争とは、通常、価格の決定権が消費者、利用客に移るのですが、
金融機関の場合は必ずしもそうではないと僕は思っております。

特にメガバンクの場合は、主導権はまだまだ銀行です。
現在の携帯電話産業のように、競争による値下げ、
価格の決定権が消費者に移る日はまだまだ先でしょう。

郵便はさておき、保険、貯金の手数料は異常に安かったです。
カードの再発行手数料は無料、残高証明書の発行手数料は民間の10分の1、
国際送金も割安。
しかし、今はすべて銀行に足並みを揃えられました。

メリットといえば、法人税をきちんと払うようになることくらい。
その税金もちゃんと国民に還元されればいいのですが・・・。期待できませんよね。

結局、一番郵便局を身近に利用してくれていた方々が損をしているのです。

我々、民意が決めたのだからしょうがないのでしょうが、
なんだか踊らされた気がします。

そして職員も、民意(国民)が決めた民営化にもかかわらず、
窓口でお客様からお叱りを受けるのです。

民営化前は、「公務員だから融通がきかないんだ!」と怒られたことがあります。
そう今と逆の怒られ方です。

しかし、融通が利いていたのは、銀行より郵便局の方なのです。
身近な郵便局は、昔は近所の方は証明書不要、面識で口座を作ってました。
架空であるはずがありません、どこそこのOOさんなんて、すぐにわかったのですから。

しかし、一部の悪い人間のために法律ができ、形式ばかりが重要視されました。
まあ、その分、マネーロンダリングなどの犯罪組織への対応は進んだのですが。

民営化を争点とした選挙のときは、
僕も正直、辞めた後だったので、民営化はプラスだと思っていたのですが・・・。

立場によって考えは違うとは思いますが、
かな~り深い問題だと思います。

辞めた今でも、職員はかわいそうだと思うし、
常連さん(特にお年寄りが多いので)や、過疎地の方が不憫に思います。

みなさんのお考えはどうでしょうか?
身近な職員の印象や、利用頻度によって見方はさまざま。
僕はたまたま、一生懸命働いている職員を何人も知っているし、
自分自身、お客様を大切に思い働いていたので、転職したとはいえ、
もしかしたまだまだ職員寄り、職員びいきの意見かもしれません。

僕の意見を押し付けるつもりはありませんので、
あくまで一参考意見として考えていただければと思います。
せっかく、こういった経験(窓口の最前線で働いた)があったので、
一度はこういったことをテーマにしてみたかったのです。

 
 



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出会いは一瞬が勝負 [読書(新書)]

島田 紳助 著 : ご飯を大盛りにするオバチャンの店は必ず繁盛する―絶対に失敗しないビジネス経営哲学


なんだか気になるタイトル。しかも何故、島田 紳助?

中を見ると、どうやら彼はサイドビジネスで成功しているらしい。
その秘訣を教えてくれるようだ。

ならば読んでやろうじゃないか!

簡単に説明すると従業員のモチベーション論である。
しかし彼らしい発言。
なるほど、こういった考えならば、従業員もついてくる。

彼の考えは、従業員が幸せに笑顔で働ける店は、お客様もついてくる。
確かにそうだ。
味もおいしいところはもちろんだが、従業員の接客で印象は大きく変わる。

これは僕のつい最近の体験だが、友人と先日、焼き肉屋に行く約束をした。
いつも行く店は激安だが、味は普通。
しかし久しぶりに会うこともあり、どうせなら噂になっているおいしい店を探そうと、ネットで調べた。
大田区の池上駅はローカルながら焼き肉屋が多い。結構、激戦である。

大田区 池上 焼き肉屋

と検索してみる。
そんな中から一店チョイスし行ってみた。

込む19時過ぎを避けるため、若干早めに集合。
店は駅の側。近くにはチェーン店があるにもかかわらず繁盛していそう。

しかし、いざ店に入ると、店員が出てこない。
急がしそうなのはわかるが、店員が四人いて目があっているのにもかかわらず何も言われず
どうしようかなと立ち尽くす二人。

もういいか?と友人に合図し、出ることに。
ドアに手をかけると、主人らしい人が 「2名様ですか?」と、
焦って声をかけてきたが、我々のテンションはすでに下がっていた。

別に怒ったわけでもないし、嫌になったわけでもない。
なんとなく、もういいかと・・・。
味がおいしいと、ネットで上位に上がっていたとしても、
この時点で味に期待感がなくなってしまった

実際食べたらおいしいのかもしれないが、
そういった印象を一度受けてしまった時点でNG。

もしかしたら、普段はとても接客はいいのかもしれない。
その日がたまたまかもしれない。

しかし本当に縁とか出会いというのは、その一瞬一瞬が勝負
きっと僕らはもう一生、あの店に行くことはないだろう。
縁がなかったのだ。
厳しい一言かもしれないが、
焼き肉屋が一店しかないならともかく、他にもたくさんの店はあるのだから。

働くのが楽しいと思える職場、島田 紳助の言う従業員の笑顔は、
そうした自然とモチベーションの上がる職場での重要な要素としている。
そんな中から、お客様を大切にする精神も自ずと生まれると。

この教訓は、本当に大切だ。
ビジネスだけでなく、私生活でも、出会いの瞬間を大切にする必要がある。
昔なら、毎日教室で顔をあわせる仲間たち。
最初の印象が悪くても、毎日の積み重ねた努力で、印象を覆せる機会はある。

しかし社会人になり、人との出会いに避ける時間が減ってくると、
その一瞬が大切なのだ。
誤解を生んではつまらない。
本当の自分はゆくゆく知ってもらうのでも遅くはない。
まずは、スタートダッシュ。
最低限のモラルとマナーを守り、出会いを大切にしたい。
誤解を受けてしまいそうだが、自分を過剰に演出しろと言っているわけではない。
せめて次につながる恥ずかしくない振る舞いをしよう。

この瞬間、出会った人は、もしかした一生の親友、もしくは大切なお客様、
になるのかもしれないのだから。



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営業の目標数字と顧客満足 [読書(新書)]

山本 直人 著: 売れないのは誰のせい?―最新マーケティング入門


大学生の頃は、随分、マーケティングを勉強した。
会計学を専門に学ぶ学部であったが、数字の実態、
現実を見てみたくて経営系の講義や是非に打ち込んだ。

実家がスーパーということも手伝って、
マーケティングの重要性、面白みを感じていたこともひとつ。

その後、最初の就職先は郵政省。ひたすら営業。
それなりに結果を出せたのは、営業もテクニック、
そして先輩からだけでなく、書籍や勉強会で学ぶことで、
経験や天性にも勝てるのだということがわかった。

本書で学べるのは、広告のマーケティングに及ぼす効果。
僕等が使うにはお門違いと思いがち。
しかし、そこから消費者が何を求めるのか、といった効果を改めて学ぶことができる。

広告はテレビ広告のような一方向的なメディアから、
主体的に調べる双方向的なメディアへとシフトしつつあるらしい。
お客が膨大な情報を得られることができるようななったからだ。

これからのビジネスは難しい。
お客の方も、多様な情報を持つのだから、
価格競争だと、たたき合いになりそうだ。

自分が郵便局時代、営業マン時代にうまくいった秘訣は、
一方的な情報の押し売りをしなかったからだっと、本書により再確認できた。

どういったことか説明するほどのテクニックではないが・・・。
それはお客のニーズを掴むこと。
ほとんどの営業マンは、自分の売り込みたいことを立て続けに話し、
お客様の話しを聞かない。

意外かもしれないが、たいていの営業マンがそうなのだ。
そんな風に営業されても入ってくれるのはごくわずか。

自分が話すのはあくまで紹介というスタンスを取った。
逆にお客様に質問をすることで、現在の生活環境、
未来への希望などから適合した商品をお知らせする。

そこから何点か選んでいただき、メリットだけでなく、
きちんとデメリットとお話しする。

入るタイミングが今でなくてもいいのだ。
そのかわり必要となる年月日を聞き、必ずその日に電話をする。
あくまで、ごり押しではなくお知らせといった感じで。

正直、営業は売ってなんぼ、結果が全てである。
しかし自分の成績のために売った契約した商品は、最悪の場合解約、
もしくはもう一度入りたいとは思わない。

そして売った自分もむなしいではないか。
ひとのお金を食い物にしても。

自分が紹介し、買ってもらい、お客様も喜び、そして会社の収益となる。
それが突き詰めれば一番いい。
偽善にも、きれいごとに聞こえるかもしれないが、自分の働く姿勢はそこにあった。
そうでなければ、公務員の郵政省ではなく、民間の保険屋になっていた。
地域の方や、お客様のメリットが、自分たちの利益につながればそれがいい。
どうしても数字を上げなくてはならない時期もあるが、
心の中でそういった気持ちを捨てたことはなかった。

現在は、経営管理と財務についての職種で、民間企業で働いているが、
営業担当者の大変さやその気持ちを忘れず、
またお客様の気持ちを忘れず、働きたいと思っている。

売れないのは誰のせい?―最新マーケティング入門 (新潮新書 220)

売れないのは誰のせい?―最新マーケティング入門 (新潮新書 220)

  • 作者: 山本 直人
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2007/06
  • メディア: 新書



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日本シリーズを終えて [読書(新書)]

野村 克也 著: 巨人軍論

気づいたら日本シリーズも終わっていた・・・(平成19年11月2日現在)

あっけなく、そして野球に無関心になってきている。
これでも、ほんのちょっと前までは毎日のようにTVにかじりついていたのに。

~実は僕は巨人ファンである。~

元々はアンチ巨人てあったが。
数々の伝説を聞きながら、幼少の頃から長嶋ファンであった僕は、
巨人が負け続ければ、いずれ長嶋さんが監督をやってくれるのでは、
とずっとアンチであった。

長嶋監督に就任してからは、
受験勉強もそっちのけで毎日野球を観ていた。

しかし元来、理詰めな人間の僕は、
野村監督の管理野球に興味があり、
将棋の一手のような先を読み合う野球が性に合っていた。

長嶋監督だから、魅せる野球に惹かれたのであって、
本来は野村監督の野球が頭から離れない。

常に一手先を読む。
これは僕の仕事における信念、そして基礎となるものである。
とはいえ、ときには予想をつかないトラブルにめぐり合うこともある。
体調不良、忌引き・・・etc・・・。

しかし、それすらも予定にいれ、一歩先の仕事をする。
そういったことが好きだし、逆にプライベートにも持ち込みすぎ、
お叱りを受けることも多々ある。

野村監督の書く本書は、ある意味で組織論である。

決して、理想論ではない。
しかし、巨人のV9時代に憧れを抱きつつ、ライバル心を持ち、
切磋琢磨する心は、感動に値する。

巨人ファンとしては、ついつい野村監督を嫌煙しがちだが、
本書を読むと、むしろ巨人を好きであった頃の野村少年
憧れていた頃の彼を想い、親近感を覚える。

力には知を。
パワーに対抗すべく、データを。

常々、理論武装が世を生き抜く術と、ついつい行き過ぎにすら思われる僕だけに、
心惹かれた内容である。

データは、無機質で熱のないものと思われがちだが、
信念を持ったデータ野球は、ときとして力の野球より情熱がある。

僕も、何かに勝つため、守るため、そして、楽しむため、楽しませるために、
一手先を読む。
せっかく、こんな性格になってしまったのであるから、
決して無機質、無感情ではなく、
人を幸せにできるよう、知とデータと、理論を利用したいと強く思う。

巨人軍論 ――組織とは、人間とは、伝統とは (ワンテーマ21)

巨人軍論 ――組織とは、人間とは、伝統とは (ワンテーマ21)

  • 作者: 野村 克也
  • 出版社/メーカー: 角川書店
  • 発売日: 2006/02/10
  • メディア: 新書



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